FANDDFでは、人とペットの共生を食の面から支援を行う一般社団法人を設立準備中です。
栄養学的視点から人とペットが同じものを食べる「共生食」の普及をはかることで、ペットの飼育率の向上を促進し、健康寿命の延伸と地域のつながり強化を目的としています。
本投稿では「犬の飼育率の向上」が「地域社会に貢献する」——この実現性について検証してみたいと思います。
埼玉県入間市のデータをもとに、犬の散歩がもたらす防犯効果や健康促進効果、さらには地域コミュニティの形成に与える影響について考察してみました。

🟠入間市と隣接都市の犬の飼育率と犯罪発生率の現状
入間市の犬の飼育率は約11.9%で、全国平均と同程度です。
一方、隣接する狭山市の飼育率は約23.2%と、入間市の2倍近い水準にあります。
にもかかわらず、入間市の犯罪認知件数は1,590件と、狭山市（780件）の約2倍にのぼっています。
この違いは、狭山市では「犬の散歩が地域の防犯活動として機能している」可能性を示唆しています。
➡️ 入間市でも「散歩の防犯効果」を意識した取り組みを進めれば、治安改善の可能性が十分にあると言えます。

🟠 犬の散歩がもたらす「防犯効果」
▶科学的根拠
オハイオ州立大学の研究によると、犬の散歩が日常的に行われる地域では、次の効果が確認されています。
✅ 強盗の発生率が約3分の2に減少
✅ 殺人の発生率が約半分に減少

散歩中の飼い主は、「地域の目」としての役割を果たし、不審者の抑止力になっているためとしています。

▶入間市のデータに基づいたシミュレーション
入間市の犯罪認知件数1,590件のうち、
✅ 侵入盗が約280件
✅ 強盗が約50件
✅ 自転車盗が約410件

オハイオ州立大学のデータに基づいて推定すると、次のような効果が見込めます。
✅ 侵入盗は約30%減少し、約84件の抑制が可能
✅ 強盗は約33%減少し、約16件の抑制が可能
✅ 自転車盗は約20%減少し、約82件の抑制が可能

➡️ 犬の散歩が積極的に行われることで、入間市では年間182件の犯罪減少が期待できます。

▶財政効果の試算
犯罪1件あたりの社会的コスト（警察対応、司法関連費、医療費、損害額など）を基にすると、
✅ 侵入盗1件あたり約25万円
✅ 強盗1件あたり約50万円
✅ 自転車盗1件あたり約5万円

➡️ 米国司法省のデータを基に算出すると、年間約3,310万円の財政効果が見込まれます。


🟠 犬の散歩がもたらす「健康促進効果」
入間市の2023年度 介護保険特別会計は 120億7,431万円 です。
また、年間保健予算は 約6億3,450万円 です。

📌 地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センターの研究によると、犬を飼う高齢者は 要介護認定率が低い 傾向にあることが示されています。
仮に、犬の散歩が要介護認定率の 1%低下 に寄与すると仮定した場合、次のような財政効果が期待できます。

📌 削減額試算 → 約 1.2億円 の介護費用削減

➡️ 入間市の保健予算（約6億3,450万円）の 約15% の削減に相当する規模です。

✅ 犬の散歩は、運動機会の増加やメンタルケアを促進し、医療費の軽減や介護予防に大きく寄与すると考えられます。


🟠 「犬の散歩」を活かした入間市の取り組み提案
1）「見守り散歩促進キャンペーン」の実施
➡️ 犬の散歩を「防犯活動」として位置づけ、防犯意識の醸成を図る。

2）「防犯協力ステッカー制度」の導入
➡️ 「犬の散歩＝地域の見守り」というメッセージを可視化し、安心感を生む。

3）「ペットと共生する健康促進プログラム」の実施
➡️ 高齢者が犬と参加できる「健康散歩デー」などのイベントを通じ、健康維持への関心を高める。

💬 まとめ —「行動の価値を再発見する」アプローチが鍵
✅ 入間市は、狭山市に比べて飼育率が低く、犯罪件数が多いという課題を抱えています。
✅ しかし、狭山市の例から見ても、「散歩の防犯効果」には確かな成果が期待できます。
✅ 「犬の散歩」はすでに多くの市民が行っている行動だからこそ、「行動の価値」を再評価することで、地域社会にポジティブな影響を与えられます。

➡️ すでに存在する行動の価値を再発見するという視点が、入間市の地域課題解決の鍵になると考えます。

🐶 皆さんの「犬の散歩」に関する工夫や、地域のつながりエピソードをぜひお聞かせください！ 🐾

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