お知らせ・新着情報
【ホテル/飲食店の方必見】「ペット可」は、もはや戦略ではない。――“次の生存条件”は?
最近、相談の入り口が変わりました。
ホテルも、飲食も、そして商品開発も。
「ペット可にしたい」ではなく、
「家族として迎える前提で、どこまで整えればいいですか?」
——この質問が増えています。
要約(ポイント)
-
「ペット可」は差別化ではなく、前提条件へ移行しつつあります。
-
競争優位は“設備の追加”ではなく、**受入条件と運用手順(仕様・SOP)**の設計で決まります。
-
ホテル/飲食において、同質化の先で選ばれるのは「将来像→定義→仕様」に落とせた事業者です。
ITmediaでも、犬と泊まれるホテルが増え「ペットツーリズム」が広がっている、と整理されていました。
私はこれをブームではなく、競争のルールが変わった合図だと見ています。
なぜなら、「ペット可」は伸びれば伸びるほど、すぐに同じ顔になるからです。
設備を足す。メニューを足す。写真を並べる。
そして最後は、価格と広告とレビューの競争に吸い込まれやすい。
しかし——
飼い主が払っているのは、サービスや設備の“差分”だけではありません。
「この子と暮らす限られた時間の中で、この子と一緒に時間を共有するにふさわしいかどうか」
その安心に対して対価を支払っています。
だからこそ、飼い主にとって一番心に残るのは——
「限られた時間を安心して共有できる」という価値を、定義と仕様で示せる事業者です。
『ペットの家族化』とは何か
では——
あなたの事業にとって、『ペットの家族化』とは何でしょう。
私はこう定義しています。
家族化=「この子を将来どう生きてほしいか」という“将来像”を前提に、
店や施設が「どこまでを当たり前に引き受けるか」を決めること。
言い換えると、
「歓迎します」という気持ちではなく、線引きの意思決定です。
-
どこまで入れて、どこから先は入れないのか(動線・ゾーン)
-
何をOKにして、何をNGにするのか(ルール)
-
もし起きたら、誰がどう対応するのか(運用)
そして、この価値観が最も明確に表れるのが「仕様」です。
たとえばペットフードのように毎日口に入るものは、将来像(健康・寿命・共生)の考え方が構造として表面化しやすく、ごまかしが利きにくい領域です。
単に設備の追加で差別化を図るよりも、
**将来像→定義→仕様(受入条件と運用手順)**へ落とし込んだ方が、再現性が高く、飼い主の意思決定に刺さりやすい。
ですからホテルや飲食で考えるべきは、
価値観を“設備”に乗せる前に、毎回ぶれない「受入条件と運用手順」を明確にすることではないでしょうか。
「伸びる条件が揃った」ことは読める
もちろん、ペットツーリズム“単独”の市場規模は、定義が揃いにくく推計が難しい領域です。
それでも、「伸びる条件が揃った」ことは、次の3点で十分に読めます。
-
飼育の母数が大きい(需要の土台が厚い)
-
ペット関連総市場が拡大している(サービスも伸びる)
-
自治体が同伴観光を施策化し始めている(供給が動く)
この条件が揃うほど参入は増え、「ペット可」は同質化します。
その先に来る淘汰は悪ではありません。
将来像に沿った定義を持ち、仕様に落とせた事業者が残る——それだけの話です。
「定義を仕様に落とす」と何が変わるか(ホテル/飲食)
では、「定義を仕様に落とす」と何が変わるのか。
ホテルと飲食でも、差が出るのは同じところです。
【ホテル】
-
受入条件の明文化(しつけ/トイレ/予防/頭数などの条件と例外)
-
同室・同席の設計(「同じ空間で過ごす」を成立させる動線と案内)
-
清掃・臭気・備品の標準手順(SOP)(誰が回しても同品質)
-
事故・破損・接触時の責任分界と同意(請求・対応・記録まで手順化)
【飲食店】
-
同伴範囲の定義(店内/テラス/席区画/入店ルールの明示)
-
衛生の運用仕様(器具分離・拭き上げ・清掃頻度・掲示=説明ではなく手順)
-
トラブル予防の基準(吠え/喧嘩/粗相/退店判断の線引き)
-
情報設計(見つけやすさ)(「どこがOKか分からない」を解消する導線)
勝負は「優しさ」ではなく、摩擦を設計できるかです。
あなたの顧客は、ペットの将来像をどう描いていますか?
そしてあなたの事業は、その将来像を「ルール」と「仕様」(運用・サービス・フード等)に落とせていますか?
ご相談について
本稿の整理を、商品開発や受け入れ設計に落とし込みたい方は、当サイトのお問い合わせフォームよりご連絡ください。
ホテル/飲食/商品開発いずれも、まずは「将来像→定義→仕様」の壁打ちから、構造として一緒に組み立てます。
参考情報(本稿作成の参照)
【起点記事】
ITmedia ビジネスオンライン
「なぜ、犬と泊まれるホテルが増えているのか 『ペットツーリズム』が広がり始めた背景」
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2601/18/news002.html
【市場の伸び(総市場の方向性)】
矢野経済研究所(プレスリリース)
「ペットビジネスに関する調査を実施(2025年)」
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3906
【飼育実態(母数・状況の一次情報)】
一般社団法人ペットフード協会
「全国犬猫飼育実態調査(統計・資料)」
https://petfood.or.jp/data-chart/
一般社団法人ペットフード協会
「令和7年(2025年)全国犬猫飼育実態調査 主要指標サマリー(PDF)」
https://petfood.or.jp/pdf/data/2025/3.pdf
【“施策・公式導線”としての例(自治体・地域の動き)】
鳥取県公式サイト(とりネット)
「ペットツーリズムによる観光振興」
https://www.pref.tottori.lg.jp/320068.htm
群馬県公式観光情報(群馬県観光公式ポータル)
「わん旅ぐんま|愛犬と過ごす、心ほどけるリトリート」
https://gunma-kanko.jp/with-pet
京都府亀岡市 公式サイト
「犬と暮らしやすいまち亀岡」
https://www.city.kameoka.kyoto.jp/site/wanwan/
